CCA北九州プロジェクト・ギャラリーでは、ジェニファー・アローラ&ギレルモ・カルザディーラの新作を発表しました。
今回ののプロジェクトでアローラ&カルザディーラは、平和主義の憲法を維持する一方で、政治的主権への日本の権利という明らかに決められないゴールを考察するという、新しいヴィデオ作品を制作しました。
『第二次世界大戦の終わりに、アメリカが作成した「戦争放棄」の条項が、非軍国主義化の過程として日本国憲法に加えられ、日本で陸海空軍、および国際紛争を鎮めるための軍事力の使用は禁じられました。憲法第9条として知られるこの条項は、1990年代末より外交政策を決定する日本の力量をめぐる議論での中心的な特徴となっています。今日、日本政府はその平和主義の憲法廃止も含めた改正を考えており、つまりは軍事国となる可能性を再び広げているのです。
このヴィデオは北九州市にあるサッカー場が舞台です。前景には2つのゴールが向かい合わせにくっついて置かれ楯のような機能を果たしながらも、それらは自己充足的な世界をつくる一方で、通常の役目を果たさなくなっています。サッカー場を見下ろす小さな丘の上にはヤシの木があり、その後ろには、近隣の家々が皿倉山のふもとに建ち並んでいます。ヤシの葉に部分的に隠れているのは、3人の演奏家です。3人は、このありえない試合のサウンドトラックとなる調和した音と不協和音のはざまのどこかで対立を演出しながら、戦争音楽の様々なレパートリーを演奏します。こうした音の反響は、あたりの景色に響くエコーとして、また今日の世界の戦事状況において、軍事体制を再考する国で揺れ動くエコーとして、未来へとその意味を広げていく過去からの反響として響いていくのです。』
ジェニファー・アローラとギレルモ・カルザディーラは、リサーチ・プログラムの教授としてCCA北九州に2007年1月8日から2月4日まで滞在しました